世界初挑戦となる導入までの経緯
きっかけは2018年に従事し始めた私が感じたことから。
- 50年以上わさび栽培をしている8代目の父でも外観からの内部障害判定に困っている。
- 外観からは判らない、切って初めて判る内部の障害がこんなに多いとは驚きだった。
- このまま出荷で本当に良いのか?「野菜だからしょうがない」で済まされて良いのか?
- 直販で実際に内部の障害による苦情がある。ということは、仲買人さんにはもっと苦情が届いているのではないか?
写真:内部障害(墨入り病)のわさび
私は前述の解決策を考えるようになり、診療放射線技師という職業柄、外観から人の目では解らない内部を非破壊検査で見たい!と思い、さらなる信頼の向上を目指して行動を起こしました。
- 2019年4月
-
勤務先病院で穴を空けたわさび、墨入りわさびをレントゲンX線装置、CT装置、超音波エコー装置で検査実験した。
穴の障害は判定できるが、墨入りは判定できなかった。 - 2019年8月
- 光品質チェッカーによるわさび内部障害判定テストを雑賀技術研究所と開始する。
途中、改めて外観からは判定できない内部障害が多く、驚き、必要性を感じる。 - 2021年3月
- 内部障害判定テストの結果から考察し、有用だと判断する。
- 2021年9月〜12月
- 今より長期間保存が可能にならないかと考え、青果物用表面殺菌装置のわさびへの適応テストを行ったが、
わさびには適用しないと判明 - 2021年11月〜1月
-
放射線技師経験より、組織変化を画像化できるMRIによる内部障害判定はできないか?と考え、
食品用MRIの開発などを手掛けるMRテクノロジー株式会社にテストを依頼。
病院の人体用MRIでテストを行った結果、わさびに内部障害判定は可能だが、
画像判定の難易度が高く、実用化は無理と判断。-
MRテクノロジー株式会社
www.mrtechnology.co.jp
こちらで研究結果が見れます。
-
MRテクノロジー株式会社
- 2021年9月
- 光品質チェッカーわさび光センサー内部障害判定機を導入。
- 2022年3月
- データ収集・蓄積が3000点以上になり、運用開始。
- 外観よりも、光センサーの方が障害合致率は高い。
- 1本あたり3点計測よりも5点の方が精度が良い。
- 障害の過大評価よりも過小評価(見逃し)が多い。