光センサー内部障害判定機

HP管理者より

世界初となる光センサーによる、わさびの内部障害(墨入り、変色、空洞)の非破壊判定を研究し、装置を導入し、実働に移しました。 今までの目視・重さ・経験値での内部障害判定にプラスして手間を惜しまず、より信頼できる優良品「光センサー検査済・真妻わさび」として出荷していきます。

世界初挑戦し、2023年9月で実働開始から1年半が経過しました。下表が実働結果と抜き打ち確認試験結果です。 実働の光センサー障害合致率は、手順の確立と測定経験により高確率が保たれています。 まだ見落としはあるとは思いますが、外観からは解らない多くの内部障害を発見し、販売品質は確実に上がりました。 多方面より発見精度に関して高評価を得られています。 また、結果表から実障害率が毎回変化しているのも解ります。 外観によって障害判定になった物を含めると採ってきた山葵の半分がキズ品や廃棄となった日もありました。 これからも、精度を落とさない様に確認しつつ、販売品質を向上していきます。

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抜き打ち検査データ

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実働結果データ

「今までの選別+光センサー」で出荷!!

光センサー内部障害判定機の使用
光センサー内部障害判定機によって障害を見つけた例
光センサー内部障害判定機によって障害を見つけた例

これらが実際に障害として、光センサーで判定できます。

わさび関係者向けの光センサー説明資料は、こちらからダウンロードできます。

世界初挑戦となる導入までの経緯

きっかけは2018年に従事し始めた私が感じたことから。

  1. 50年以上わさび栽培をしている8代目の父でも外観からの内部障害判定に困っている。
  2. 外観からは判らない、切って初めて判る内部の障害がこんなに多いとは驚きだった。
  3. このまま出荷で本当に良いのか?「野菜だからしょうがない」で済まされて良いのか?
  4. 直販で実際に内部の障害による苦情がある。ということは、仲買人さんにはもっと苦情が届いているのではないか?

写真:内部障害(墨入り病)のわさび

わさび墨写真

私は前述の解決策を考えるようになり、診療放射線技師という職業柄、外観から人の目では解らない内部を非破壊検査で見たいと!と思い、さらなる信頼の向上を目指して行動を起こしました。

2019年4月
勤務先病院で穴を空けたわさび、墨入りわさびをレントゲンX線装置、CT装置、超音波エコー装置で検査実験した。
穴の障害は判定できるが、墨入りは判定できなかった。

わさびX線写真

2019年8月
光品質チェッカーによるわさび内部障害判定テストを雑賀技術研究所と開始する。
途中、改めて外観からは判定できない内部障害が多く、驚き、必要性を感じる。
2020年3月
内部障害判定テストの結果から考察し、有用だと判断する。
2020年9月〜12月
今より長期間保存が可能にならないかと考え、青果物用表面殺菌装置のわさびへの適応テストを行ったが、
わさびには適用しないと判明
2020年11月〜1月
放射線技師経験より、組織変化を画像化できるMRIによる内部障害判定はできないか?と考え、
食品用MRIの開発などを手掛けるMRテクノロジー株式会社にテストを依頼。
病院の人体用MRIでテストを行った結果、わさびに内部障害判定は可能だが、
画像判定の難易度が高く、実用化は無理と判断。
2021年9月
光品質チェッカーわさび光センサー内部障害判定機を導入。
2022年3月
データ収集・蓄積が3000点以上になり、運用開始。
  1. 外観よりも、光センサーの方が障害合致率は高い。
  2. 1本あたり3点計測よりも5点の方が精度が良い。
  3. 障害の過大評価よりも過小評価(見逃し)が多い。

わさび内部障害判定機について

みかんなどの選果場で使われている「光品質チェッカー」をわさび仕様にした装置です。光センサーによる色識別の機能を使います。
基本的に黒色は光を吸収するという性質を利用します。近赤外線の光をわさびに照射し、透過する光量の差によって障害部分(黒色部分)の有無を判別するという仕組みです。

光センサー内部障害判定機の仕組み

原理は雑賀技術研究所のホームページをご覧ください。

参考:食品用内部品質検査装置 光品質チェッカー(雑賀技術研究所様のサイトより)
www.saika.or.jp/checker/

光品質チェッカーモニター
品質チェッカー本体
品質チェッカー本体とモニター

光センサー測定結果報告

より解りやすく、ブログの様に報告させていただきます。

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